Live&Event Report

Part1 「Wild Sketch Show at SHIBUYA-AX 2002.12.8」ライブ(レポートらしくない)レポート

<おことわり>
 本稿は2002年12月15日に初Upしたものですが、NHK-BSで放映されたビデオを見返したとき、実際と筆者の記憶に違い(特にトークの部分)があまりに多かったので、修正し、再度Upいたしました。
また初Up当時、タイトル不明だった曲も曲名を追加しましたm(_ _)m

その日は朝から小雨の降る寒い日だった。代々木体育館にほど近いここ渋谷AXで、、高橋幸宏、細野晴臣のバンド「SKETCH SHOW」がいよいよ単独ライブを行う(実際は12/3に渋谷AX、12/5になんばハッチで公演しているが、いずれも追加公演であり、当初の予定で言うところの初日がこの日)。
立見とはいえ、生まれて初めて体験する「ライブ」であり、気持ちは否が応でも高揚する。

18:00 開場。といっても整理券の順番待ちで実際に入れたのは18:40だった。おまけに渋谷AXは中にクロークなどはなく、手荷物は外の貸しロッカーに入れておくしかない。この中に、邪魔になるだろうとジャンパーも一緒に入れていたがこれが誤算だった。40分近くも寒空の下、震えながら入場を待ち続ける羽目になってしまった。

会場は既に先に入場した人でごった返していた。僕が立った位置は、会場の左手後方、一段上がったところだ。背が低いので、前に行こうとすると人の頭で全く見えなくなってしまう。おまけに、すぐ左手には某放送協会のTVカメラ、上を見上げればモニター。人の頭で見えなくなったり、表情を見たいときにはこのモニターを見ればよい。

19:00 開演。まず中央の大画面にプロモっぽい怪しいVTRが流れる。細野氏、高橋氏のとぼけた表情、仕草が会場で大ウケ。続いて、アメコミで流れるようなオープニングにあわせて、細野氏、高橋氏が登場。しかも火星歩行で(^^;(注1)。

で、いきなり手品&モノマネを披露。途中で金髪のごつい美女(!?)(注2)が後ろをひょっこり通る。
(まさか・・・)

いったんステージから二人が消えると、控えていたバックメンバー達が演奏を始める。

バックメンバーは、徳武弘文氏(g)、田中純子氏(kb、accordion)、堀江博久氏(kb)、権堂知彦氏(manipulater、ユーフォニウム)、そしてコーネリアスから小山田圭吾氏(g)。1曲目はなんともはや、いきなりの「YMOメドレー」。内容は「コスミック・サーフィン」「ソリッド・ステイト・サバイバー」「体操」。YMOメンバーの曲が1つずつセレクトされていた。

一通り終わったところで、再び細野氏、高橋氏が登場。Reform」を演奏。最初のMCとは打って変わり、ステディな幸宏のドラム、細野氏のベースも非常にさえている。

Reform」のあと、全く初めて聴く曲に会場はしんとなった。新曲(「Ekot」)らしい。パンフ「WSSGYM」によると、来年春に4曲入りミニアルバムを発売予定という。その中の曲とすれば、発売が非常に楽しみだ。

このあと、アルバム「Audio Sponge」から「Do You Want to Marry Me」「Theme From A Summer Place」「Supreme Secret」「Wilson」などを演奏。途中、YMO「灰色の段階」も演奏され、細野氏はボコーダー(というよりパッドみたいなやつ?)で声を歪ませて歌っていた。

MC「ジェネレーションギャップ」の話になり「僕と細野さんでも(ジェネレーションギャップは)あるんですよ」と幸宏氏。この後、細野氏はなぜか携帯電話を取り出し、ステージ下手にいた小山田氏に電話。「人の演奏手伝ってどう?」という問いに「こっちのほうが楽しいですよ」という小山田氏に会場は大ウケ。この後、電話は堀江氏、権堂氏と回され、最後は幸宏氏のところへ。「はいー」(注3)「ずいぶん若々しいねぇ」此のやりとりでまたも爆笑の渦。

2回目のMCでメンバー紹介。年長組と若手組を交互に紹介。
そして「本日のスペシャル・ゲスト、坂本龍一!」(注4)。ここで会場は「オオォォォォ!」と一気にヒートアップ!

そこに現れたのは、紛れもなく本物の坂本龍一氏!目の前(といっても10メートル以上離れてましたが)に教授がいる!いつの間にかそこには、「教授〜!」と叫ぶ自分がいた(注5)。

元・YMOの3人がステージでそろったところで「Wonderful to Me」を演奏。坂本氏のキーボードの1台はあのプロフェット5だ。

新曲「chronograph」のあと、Sketch Showの2名だけになり、ドラムセットの上にあるブースに登る。後半はここから「TURN TURN」「Microtalk」「return」と続き、またもYMOから「Pure Jam」(注6)を演奏。過去のYMOの曲をサンプリングして構成されていて、途中「!?」と思わせる聞き覚えのあるフレーズも・・・。

最後に「zoetrope」が演奏され、クライマックスで壇上の二人はいきなり手を耳に当て、肘を前後に動かした。「これは!」知る人ぞしる、「過激な淑女」の時の振り付けだ!最後で弾けてくれた細野氏・高橋氏に演奏後、惜しみない拍手。

当然、ここで終わるわけがない。アンコール。

再度メンバー紹介。映像を担当していた高木正勝氏を紹介(プロフィール見たら、1979年生まれって書いてある。僕より年下だ〜)。当然、坂本龍一氏も最後に登場。「なんか喋って下さい」と幸宏氏。「さっきライディーンが一瞬でてきて・・・」と坂本氏。

アンコール曲は、YMO「CUE」「中国女」「CUE」は原曲と調が違っていたアレンジだったので、イントロから唄に入るまで全く分からなかった。一方「中国女」は、昔のライブ版に近く、非常にノリノリな演奏だった。

演奏後、全員そろって一礼。またも火星歩行(?)で退場。しかし、ここでステージはまだ終わらなかった。

 拍手は鳴りやまなかった。いつまでも続いた。

するとステージが三度明るくなり、細野氏、幸宏氏ほかのメンバーが全員また戻ってきた。

「実は、ここで終わっちゃうと・・・つまんないと言われて・・・」(注7)と幸宏氏。「ほとんど練習していませんが」と前置きをして、演奏を始めた。2度目のアンコール。曲は細野晴臣「はらいそ」。まさに、詞も曲もラストにふさわしい。「アディオス・ファラウェル・サヨナラ〜♪」(注8)
 歌いながら、「今日はどうもありがと〜」と細野氏、高橋氏が退場。キーボードを演奏していた坂本氏は突如ステージ下手から飛び出した高橋氏に腕を掴まれてあっという間にステージ上手に去ってしまった(注9)。

 久しぶりに至福のひとときを感じた出来事だった。もう嬉しかった。嬉しかった
お金出してライブ観た甲斐があった。きっとこの日ライブを観た2千人近くが僕と同じ気持ちになっていたと思う。
 あまりに嬉しかったので友人に電話をする。「とっても良かったヨォ!」興奮していたので相手のことなんか構わず話し続けた。
電話の途中、TVカメラが近付いてきた。僕にインタビューするつもりか?と思ったが、その手前、若いカップルの前でカメラが止まり、照明がカップルを照らす。
半分「いいなぁ」と思いつつ(注10)、僕は会場を後にし、一路渋谷駅を目指す。そういえばもう12月。街路樹にはイルミネーションが付けられ、街はクリスマス一色になっていた。

雨はまだ止みそうもない。ひょっとしたらこのまま寒くなったら明日は雪が降るのかな(注12)、などと思いつつ、渋谷駅から電車に乗り、家路についた。(2002.12.15 2003.2.2大幅修正)

(注釈)
(1)「体操」のプロモビデオや、NHK-BS「細野晴臣イエローマジックショー」で観られます。
(2)誰?本当に、あのひと?
(3)幸宏氏の声、裏返ってた気がする。
(4)本当にびっくりした。8月に一度3人揃ってステージやっていたから今回はないだろうと思っていた。
(5)「ホソノー」「ユキヒロー」は恥ずかしくて言えなかったのに、このときだけは叫んでいた。やっぱ教授のファンなのかな、俺は?
(6)「Pure Jam」は「zoetrope」の後に演奏されたのが正しいようです。どうも相当興奮していて記憶も曖昧になってきた・・・のかな?。
(7)ということは、3日と5日ではやってなかったということか?サービス精神旺盛なスケッチショー万歳!
(8)この曲のラストで「このつぎは、モア、ベターよ!」という名フレーズを残し、細野氏はYMOをスタートさせた。1978年のことである。
(9)本当にあっと言うまでした(最初筆者はスタッフの誰かだと思ってました。ビデオ見て幸宏氏だと知って二度びっくり)
(10)このときの筆者の気持ちは皆さんのご想像にお任せします。
(11)次の日(12月9日)、東京は記録的な大雪に見舞われました。

(補足)
(1)曲順は、正確な記憶ではないので、前後していたかも知れません。
(2)また、「Gokigen Ikaga 1,2,3」は演奏されませんでした。


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