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ShorTrip
「ShorTrip」とは「Short Trip」を短く言っただけの造語です。
ここではその名の通り「些細な旅」をテーマとしてお届けします。

 第12回 「富山・立山&高岡ひとり旅(第1日目・日本最新の市電・富山ライトレール乗車記)」

〜最近、なぜだか北陸に行ってみたいと思うようになった。〜

というのも、富山に新しく開業したライトレール(路面電車)や高岡の万葉線も気になるし、
黒部ダムやアルペンルートも、一度は行ってみたい。

 しかし、静岡からは東京から回るか、米原を回るか、それとも飛行機を使うか.
いずれにしてもホイホイとすぐ行ける場所ではない。

 そこで今回は2泊3日のスケジュールを入念に組み、ホテルも切符も事前に予約した。
いつものShorTripとは比べものにならないほどの規模になりそうだ。

出発は最寄りの東海道新幹線三島。8:00発のこだま号でまずは米原へ。
1時間ほどで浜松へ。
浜名湖を渡る。手前は東海道線。向こうに太平洋。
名古屋到着直前。
近鉄特急が待避線にいる。
10:15 米原到着。
ここからは特急「しらさぎ」で北陸線を一気に富山まで向かいます。
米原は、大垣、京都、長浜方面からの列車が複雑に出入りするジャンクション駅。JR東海とJR西日本の境界もこの駅にある。

乗車予定の特急が来るまで待機。すると、大阪・神戸方面からの新快速が到着。
名古屋から、特急しらさぎが到着。
ここ米原で3両増結の上、北陸線にはいるため、スイッチバックをする。
10:59 米原を発車。
一路、富山に向かって田園地帯を快走。
 富山までの所要時間はざっと2時間以上。ということで昼食は車内で、米原で買った駅弁を。
 今回はこれ。井筒屋の「御出世あそばせ」。大河ドラマでもおなじみ山ノ内一豊&千代が近江出身と言うことで、いまだ独り者のぼくとしては非常に彼らにあやかりたいな、という寂しい理由で(_ _;)買いました。
中はこんな感じ。
紅白のご飯や、数々のおかずも詰まっており、丁度よい具合。
金沢に着いたのは13:00頃。
発車してすぐ、上野から来たブルートレイン「北陸」用のEF81とすれ違う。

奥に見える高架線は、北陸新幹線のもの。まだ建設中のようす。
13:26 富山到着。

台風が大幅に逸れたので、非常に天気も良く、暑い(汗)
富山駅の北口に出る。

最近道路が整備され、非常に綺麗な印象。

そして振り返れば・・・?
来た!

これぞ日本最新の路面電車・ポートラム(PORTRAM)である。

ポートラムを擁する富山ライトレール(富山港線)は、ここ富山駅北から岩瀬浜まで約8キロを結ぶ。旧JR富山港線の線路を再利用し、路面区間を1kmほど新たに建設し、今年4月29日に開業した。
新しく設置された停留所は、デザインが統一されており、案内板と、出資した各企業・団体の広告・ポスターが掲示されている。
では早速、終点の岩瀬浜まで乗車することに。

 日中は15分間隔で運転。運賃は、通常\200-であるが、平日昼間・および土日祝日は\100-の割引運賃となる(子どもはその半額)。また、プリペイド式ICカード「PASSCA(パスカ)」での乗車もできる。東急世田谷線の「せたまる」とほぼ同じシステムのようだ。
発車してしばらくは、道路上を走る。
一部区間は、レールの間に芝生を植えた区間もある。
(車外で撮影)
急カーブし、奥田中学校前停留所へ入る。

ここからは、旧JR線の線路上を走る。

(車外で撮影)
車内から、岩瀬浜方面を見る。

線路の状態がライトレールにまだ合っていないのか、スピードを出す(時速50〜55km)と、結構揺れる。

しかし走行音は、結構静かだ。
富山港線は全線単線なので、途中で列車の行き違いをしなければならない。

大広田で富山駅北行きの電車と待ち合わせ。JR線時代は、いま電車のいる付近にホームがあったそうだ。
約25分ほどで、終点岩瀬浜に到着。

この停留所も、整備し直され、プラットホームから直接、フィーダーバス(左)に乗り換えられるようになっている。
岩瀬浜の駅周辺を散策。
「岩瀬浜カナル」という建物へ行ってみた。ちょっとした休憩場でもあり、グッズ販売などをしていた。建物の裏手には、個人所有と思われるたくさんのボートが停泊していた。
この日も気温34℃と、まさに夏真っ盛り。

海のありそうな方向へフラフラと歩いていく・・・。

ちっと見づらいが、消防艇がいます。
怪しい(!)船。日本車を大量に積んでいる。

最初「万○峰号」かと思ったが、よく見りゃロシア語だよ。
全然読めませんが。
歩いているうちに、子どもの声が聞こえてきた。
何かと思い、行ってみると・・・!
海水浴場だ!

そして、1日で太平洋と日本海の両方をこれで見ることが出来たことで、何故か嬉しくなる。
再び岩瀬浜カナルへもどり、今度は、南方向、旧北国街道を
散策する。

その途中にあった料亭。落ち着いた雰囲気がまたよし。
ここから数百メートルが大町新川町通(旧北国街道)である。

この地方独特の建物(回船問屋)や蔵が数多く残され、中には国定重要文化財に指定されているものまである。
こういう建物の造りは、「伝統的町屋型」というのだそう。場所によっては中に入ることもできるのだが、時間がないので今回はスルー・・・。
ここを抜けると、富山港線・東岩瀬駅に出る。

ここは唯一、JR線当時の駅舎とホームの一部が残っている。保存の計画もあるとのことだが、さて・・・?
左が旧JR線当時のホーム、右が富山ライトレール用のホーム。
こうして見ると、その高さの違いが一目瞭然。
ライトレールにふたたび乗り、富山駅方面へ。
途中、城川原には富山ライトレール本社と車庫がある。

奥に青のライトレールが休んでいる。ちなみに、ライトレールのカラーは、
白を基調に、赤、オレンジ、黄、キミドリ、緑、青、紫の7色。
これがライトレールの運転台。
海外のLRVに非常に近く、非常にシンプル。

操作は右のレバーで行い、手前に引くと加速、前に倒すとブレーキがかかる。なんとなくラジコン感覚で電車を動かしている感じだ。
 ライトレールの特色は、なんといっても床面が低いこと。
これは、お年寄りの方や車椅子の方にも無理なく利用できるように(バリアフリー化)とのことだが、これからの高齢化社会においては、自動車の利用が困難な方々にとって、なくてはならない存在であり、今後ライトレールを検討する地方都市にとっても、よい研究材料となりうるだろう。
駅の隣のビル1階に、富山ライトレールやJR富山港線に関する資料館があったので、クーラーで涼むついでに入ってみる。

このコーナーでは富山ライトレールやその前身のJR富山港線の紹介や、工事の様子などをパネルで説明している。
旧JR富山港線の、走行風景を収めたビデオを映像で流していた。

ぼく自身、JR線時代には乗らなかったので、非常に新鮮に感じた。

映像は、今年2月の廃止直前のころのようで、「ありがとう富山港線」のヘッドマークを付けた電車や、撮影に来たたくさんのファンがいっぱい映っていた・・・。


第2日目につづく。

<LINK>
富山ライトレール株式会社:http://www.t-lr.co.jp/

to be continued・・・

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